【失業保険の受給条件は?】資格や給付金額、手続きの流れを詳しく解説!

突然の失業は誰にとっても予期しない出来事で、経済的な不安を抱える方も多くいます。失業保険は金銭面での不安を和らげる手段ですが、仕組みや条件は複雑です。本記事では、失業保険の受給条件や金額、手続きについて詳しく解説します。

記事を読めば、失業保険の仕組みを理解し、自分が受給資格を満たしているかを判断できます。受給条件を正しく理解し、失業保険をスムーズに受給しましょう。
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目次

失業保険の受給条件

失業保険の受給条件は、以下のとおりです。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 失業の状態にあること
  • ハローワークに求職登録をしていること

雇用保険の被保険者であること

雇用保険の被保険者であることは、失業保険を受給するための基本条件です。条件を満たすには、雇用保険に加入している必要があります。加入期間は、離職前2年間に通算12か月以上が原則です。65歳到達前に被保険者資格を失っていることが条件となります。雇用形態や勤務条件にも注意してください。

雇用保険の適用事業所に勤務し、週20時間以上、31日以上の雇用見込みが必要です。任意加入の特例被保険者(農林水産業の個人事業主など)や公務員は対象外ですが、一部例外もあります。条件を満たせば、雇用保険の被保険者として認められ、失業保険の受給資格を得られます。

失業の状態にあること

失業保険を受給するには、失業状態であることが重要な条件の一つです。具体的には、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 職業に就いていない
  • 働く意思と能力がある
  • 積極的に求職活動を行っている
  • 就労の機会があれば就ける状況である

単に仕事をしていないだけでは、失業状態とはみなされません。週20時間以上のパートタイムやアルバイトをしていたり、事業を営んでいたりする場合は対象外です。昼間学生や専業主婦・主夫の場合も、失業状態とは認められません。失業の状態にあるかどうかは、ハローワークで個別に判断されます。

迷った場合は、ハローワークに相談してください。適切な判断を受ければ、失業保険の受給資格を正確に確認できます。

ハローワークに求職登録をしていること

ハローワークへの求職登録は、失業保険受給のために必要な条件の一つです。手続きを行えば、求職者として正式に認められ、失業保険の受給資格を得られます。具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. ハローワークに直接出向く
  2. 求職申込書に必要事項を記入し提出する
  3. 失業認定日を決定する
  4. 職業相談を受ける

求職登録後は、積極的に求職活動を行う必要があります。定期的に求職活動を報告し、紹介された仕事を拒否しないようにしましょう。就職支援セミナーに参加するのもおすすめです。失業認定申告書の定期的な提出と、求職活動実績の記録を徹底してください。

失業保険の受給資格

失業保険の受給資格について詳しく説明します。

雇用保険の被保険者期間

雇用保険の被保険者期間は、失業保険の受給資格を得るための重要な条件です。原則として、離職前2年間に12か月以上の被保険者期間が必要です。被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間を指します。週20時間以上勤務の場合、1か月の勤務で1か月の被保険者期間となります。

特定理由離職者や季節労働者は、離職前1年間に6か月以上の被保険者期間が必要です。週20時間未満の短時間労働者は、実労働時間に応じて計算されます。育児休業や介護休業期間も被保険者期間にカウントされます。複数の事業所で働いていた場合、期間が重複しない限り合算が可能です。

被保険者期間は離職日の翌日から遡って計算されます。被保険者期間が不足していると、失業保険の受給資格は得られません。雇用保険に加入していた期間を正確に把握しましょう。

特定理由離職者と特定受給資格者の条件

特定理由離職者または特定受給資格者に該当すると、失業保険の受給資格を得やすくなります。該当する離職理由は、以下のとおりです。

  • 倒産や解雇
  • 雇止めや契約期間満了
  • 事業主の勧奨
  • 65歳未満の定年
  • 正当な理由がある自己都合退職
  • 差別的解雇やハラスメントによる離職
  • 事業所の移転に伴う離職
  • 妊娠や出産、育児を理由とする離職
  • 介護を理由とする離職災害などによる離職

状況によって判断が異なるため、詳細はハローワークに確認してください。

失業手当の給付金額

失業手当の給付金額に関して、計算方法と年齢や退職理由による給付金額の違いを解説します。

給付金額の計算方法

給付金額は、離職前の賃金をもとに計算されます。離職前6か月の平均給与を180で割った額が、賃金日額です。賃金日額の50〜80%が基本手当日額になります。給付率は年齢や賃金日額によって変動し、60〜64歳の場合は45〜80%です。賃金日額が高いほど、給付率は段階的に下がります。

特定受給資格者や特定理由離職者は、一般の離職者より高い給付率が適用されます。上限額と下限額が設定されているため、極端な金額にはなりません。給付金額は税金や社会保険料が控除される前の金額であり、実際に手元に届く金額は控除後の額です。

年齢や退職理由による給付金額の違い

失業保険の給付金額は年齢や退職理由によって異なります。一般的に、年齢が高くなるほど給付率が高くなる傾向です。退職理由も、給付金額に影響します。主に3つに分類され、一般離職者や特定受給資格者、特定理由離職者です。特定受給資格者や特定理由離職者は、一般離職者より給付率が高くなります。

30歳未満の一般離職者の場合、賃金日額の50〜80%が給付されます。45〜59歳の特定受給資格者の給付額は、80〜90%です。65歳以上は、退職理由に関わらず一律45%となります。賃金日額には年齢による上限があり、給付金額には1,984円の最低保障額があります。自分の年齢や退職理由に応じた給付金額を把握しましょう。

失業保険を受け取る期間

失業保険を受け取る期間について、給付期間の決め方や自己都合退職と会社都合退職の給付期間の違いを解説します。

給付期間の決め方

給付期間は、基本手当の所定給付日数をもとにして決まります。離職時の年齢や被保険者期間、離職理由なども考慮される要素です。離職理由は、以下の3種類に分類されます。

  • 一般の離職者
  • 特定理由離職者
  • 特定受給資格者

障害者などで就職が困難な場合、給付期間が延長される場合があります。受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。特定の理由がある場合は、最大4年まで延長できます。自己都合で退職した場合、手続き日から原則として7日経過した日の翌日から2か月間は受給できません。

再就職手当を受けると、給付期間が短縮されます。職業訓練受講中は基本手当の受給期間が延長される場合があります。給付期間は個々の状況に応じて決定されるため、自分の状況を正確に把握するのがおすすめです。

自己都合退職と会社都合退職の給付期間の違い

自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の給付期間に大きな違いがあります。自己都合退職では原則として2か月の給付制限期間があり、90〜330日間の給付を受けられます。会社都合退職では、給付制限期間はありません。すぐに90〜330日間の給付を受けられます。給付日数は、年齢と被保険者期間で決まります。

45歳未満は90〜180日間、45歳以上60歳未満は180〜240日間です。60歳以上65歳未満は150〜210日間の給付が受けられます。特別なケースとして、障害者などの就職困難者は300〜360日間です。倒産や解雇による離職者は90〜330日間の給付が受けられます。

倒産や解雇などの特定受給資格者は、給付日数が延長される場合があるため、事前に確認してください。自己都合退職でも特定の理由が認められれば会社都合扱いとなり、給付制限期間なしで受給が可能です。判断に迷う場合は、ハローワークに相談しましょう。
» 会社都合の退職による失業保険|受給条件や手続き方法を解説!

失業保険の受給手続き

失業保険の受給手続きについて詳しく解説します。
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必要書類

失業保険の受給手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

  • 離職票
  • 本人確認書類
  • 写真2枚
  • 雇用保険被保険者証
  • 銀行通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑
  • マイナンバー確認書類

手続きは、ハローワークで行います。本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどの顔写真付きのものが有効です。写真は3×2.5cmサイズを2枚用意してください。銀行通帳またはキャッシュカードは、給付金を受け取る口座情報の登録に使用します。印鑑は認印で問題ありません。

書類をそろえれば、失業保険の受給手続きをスムーズに進められます。書類に不備があると手続きが遅れる可能性があるため、事前に確認しましょう。

手続きの流れ

失業保険の受給手続きは、以下の手順で進めてください。

  1. 離職票を受け取る
  2. ハローワークで求職申込書を記入する
  3. 失業認定申告書を提出する
  4. 必要書類を提出する
  5. 雇用保険受給資格者証を受け取る
  6. 指定された失業認定日にハローワークに来所する
  7. 失業認定を受ける

流れを正確に把握し、必要書類を事前に準備すれば、手続きをスムーズに進められます。手続きに不安がある場合は、ハローワークの窓口で相談するのがおすすめです。

失業保険の受給条件に関するよくある質問

失業保険の受給条件に関するよくある質問をまとめました。受給を控えている方は、参考にしてください。

失業保険はいつからいつまで受け取れる?

失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。離職日の翌日から7日間の待機期間を経て、給付が開始されます。給付日数は90~360日で、年齢や退職理由により異なるため、注意が必要です。若い人や自己都合退職の場合は短く、高齢者や会社都合退職の場合は長くなります。

45歳以上や障害者は、最大3年間まで受給期間を延長できる場合があります。病気やけが、妊娠、出産などの理由で受給できない場合も、延長が可能です。受給を始めるには、資格決定日から4か月以内に手続きが必要です。手続き後は、4週間ごとにハローワークで失業認定を受け、求職活動を続けます。

就職や自営業を始めると、受給は終了するため、注意してください。失業保険は再就職までの生活を支える制度のため、上手に活用しましょう。
» 失業保険はいつからもらえるのか、手続きや金額を解説!

受給中に就職が決まったらどうなる?

受給中に就職が決まった場合は、速やかにハローワークへの報告が必要です。就職日の前日まで失業保険を受給でき、新しい仕事への準備を進められます。再就職手当は、失業保険の残りの給付日数に応じて支給される早期再就職支援制度です。残りの給付日数が所定給付日数の3分の1以上で、多いほど高額になります。

再就職後も条件を満たせば、就業促進定着手当の受給が可能です。再就職先で6か月以上の勤務や短期就業でも、就業手当が支給される場合があります。積極的な就労を促すための制度です。再就職後に再び失業した場合でも、残りの給付日数があれば受給を再開できます。

受給中にアルバイトはできる?

一定の条件を満たせば、失業保険を受給しながらアルバイトが可能です。アルバイトの収入が一定額以下の場合、失業保険の受給を続けられます。収入が一定額を超えると、失業保険が減額されたり支給が停止されたりする場合があります。アルバイトの収入は、必ずハローワークに申告が必要です。

収入額によっては失業認定日が変更される可能性もあります。短期のアルバイトは失業保険の受給に影響が少ないですが、長期のアルバイトは受給が制限されるため、注意しましょう。フルタイムで働き始めると、失業保険の受給資格を失う可能性があります。アルバイトを始める前にハローワークに相談しましょう。

収入を隠すと不正受給と見なされて罰則の対象となるため、正しい手続きが重要です。

不正受給をしたらどうなる?

不正受給をすると、不正に受け取った金額の2倍を返還しなければなりません。刑事罰として、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が課される可能性もあります。不正受給が発覚すると、失業給付を停止されるだけではありません。雇用保険加入記録を抹消される恐れがあります。

再就職に悪影響を及ぼしたり、社会的信用を失ったりする可能性もあります。悪質なケースの処罰は、詐欺罪での逮捕や起訴です。不正受給の事実は長期間記録に残り、将来にわたって影響を及ぼします。不正受給は厳しい処罰と深刻な影響を伴う重大な違法行為です。正直に申請し、ルールを守りましょう。

まとめ

失業保険は、突然の失業に備える重要なセーフティーネットです。受給には所定の条件を満たし、手続きを行う必要があります。正しい知識があれば、必要なときに適切に活用できます。失業保険の仕組みを理解すると、経済的な不安の軽減が可能です。

給付金額や期間は個人の状況によって異なるため、自分の状況を正確に確認する必要があります。受給中の就職活動やアルバイトに関するルールにも注意が必要です。不正受給は厳罰の対象となるため、必ずルールを守ってください。失業保険制度を正しく活用し、再就職に向けて前向きに取り組みましょう。

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